北村薫先生について

1.学生時代からデビュー、覆面作家を経て専業作家へ

埼玉県出身。埼玉県立春日部高校-早稲田大学第一文学部卒。小・中学生の頃からミステリ、落語、文芸一般に耽溺し、早稲田大学入学後はワセダミステリクラブを通じ、ミステリ関係者との交遊を深めた。

家族に教職者が多く、大学卒業後は自然と高校教諭の道を歩む。母校である埼玉県立春日部高校をはじめ埼玉県内数校で教壇に立ったが、当時東京創元社の編集者だった戸川氏の勧めにより執筆活動を開始した。

1989年に『空飛ぶ馬』を発表し、作家としての第一歩を踏み出す。 ちなみに当初は専業作家になるつもりがなかった。そのため、他社から執筆を依頼されぬよう、住所、本名はもちろん、性別を含むいっさいのプロフィール等を 明かさない、「覆面作家」としてデビューした。(*1)

1991年、短編作品集『夜の蝉』によって第44回日本推理作家協会賞(連作短篇集賞)を受賞し、覆面作家業にピリオドを打つ。

1993年頃諸事情あって教職を辞し、専業作家となった。

2.現在:執筆活動

現在、小説家として雑誌・新聞等で小説を発表している。また無類の本格ミステリ愛好家・読書家として論説・エッセイを寄稿し、アンソロジー編纂や、講演、対談などの活動も盛ん。

執筆活動の中でも、小説作品への評価はとみに高い。直木三十五賞には最終候補に6度挙げられ、6度目の第141回(2009年)『鷺と雪』によってついに受賞を成し遂げた。ほかに2006年に『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞し、またわが国のミステリー文学の発展に著しく寄与した作家および評論家として2016年に第19回日本ミステリー文学大賞を受賞している。地元埼玉県においても直木賞受賞を契機に彩の国学術文化功労賞を受賞し、「埼玉応援団」のメンバーになっている。
また山本周五郎賞などいくつかの著名文学賞の選考委員を務めた。

落語をはじめとする演芸や詩歌(詩、和歌、短歌、俳句など)などに深い関心・含蓄があり、それぞれに関するエッセイ執筆やアンソロジー編纂、対談も数多く行っている。

3.現在:所属組織

日本文藝家協会はもちろん、日本推理作家協会本格ミステリ作家クラブにも所属している。(本格ミステリ作家クラブは2000年の設立に尽力し、発起人にも名を連ねており、事務局長、2代目会長に就いた)
また母校早稲田大学では数度にわたり特任教授などに就任し、「創作指導」などの講義を担当して学生の指導にあたった。(その内容は新潮選書より2008年に発売された『北村薫の創作表現講義 あなたを読む、わたしを書く』に詳しい)

4.現在:電子書籍への対応について(北村薫先生からの依頼にて掲載)

北村薫先生は、2016年6月現在、新潮新書『自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―』以外の作品について、電子化を許可していません。
その他の作品の電子版は、著者も版元も無許可の海賊版となります。詐欺まがいのものもあるようですので、興味本位はもちろん、誤ってダウンロードしたり、開いたりしないよう、ご注意ください。

5.現在:原作提供

長編小説『ターン』が映画化(*2)され、複数の映画賞を受賞した。
同『スキップ』、『ひとがた流し』、連作短編『覆面作家』シリーズ、『冬のオペラ』がNHKによってドラマ化された。

『覆面作家』シリーズ、および『冬のオペラ』や一部の短編作品は漫画化され、コミックスとして読むことが出来る。

小説作品を原作とした舞台化も多数の団体によって行われている。
『スキップ』(演劇集団キャラメルボックス:2004秋冬公演)
『盤上の敵』(服部有吉・上島雪夫によるダンスアクト:2004夏公演)
『弟』(NautilusWorksによる朗読劇:2003公演)
『語り女たち』(バイオックス J.Aなどによる舞台:2006公演、北原久仁香などによる朗読劇2006より不定期公演)
『ひとがた流し』(ブルーノプロデュースによる舞台:2011公演)
『空飛ぶ馬』『夜の蝉』(柳家三三による舞台劇+落語:2011-2012公演)
などがある。
(*1)『空飛ぶ馬』発表前の評論・解説については、「北村薫」でない名義で発表していた。
(*2)バンブーピクチャーズ/アスミックエースエンタテイメント配給、監督平山秀幸、主演女優牧瀬里穂。